栞の学力向上計画


香里「栞」
美坂家の午後。今日は一学期の終業式であり、明日から晴れて学生は夏休みだ。
栞「なに? お姉ちゃん」
香里「通知表はどうだったの?」
栞「えっ!?」
慌てた表情を隠せない栞。さては成績悪かったな・・・・・・。
栞「えーっと・・・・・・みんな一桁でした」
香里「当たり前よ。一桁じゃない評価っていったら10しかないじゃない。それは私の問いの答えになってないわ」
どうやら彼女らの学校では成績が10段階で評価されるらしい。
栞「そうですねぇー」
マトモに答える気がないらしい。
香里「まあ、あんたの口から聞かなくても、紙面が事実を語ってくれるわ」
栞「わわわ、鞄あさらないでー」
香里「あさらないでー、っていわれても私には見る義務があるのよ」
栞「うーなんで見る義務があるんですかぁー」
香里「私が両親から栞の勉学指導の責務を与ってるからよ」
栞「いつの間にそんなことになってるんですか!」
香里「だいぶ前よ。さ、早く観念してそれを見せなさい」
栞「うわーんお姉ちゃんなんか嫌いです」
赤裸々に香里の前へ明かされる栞の成績!!

香里「・・・・・・うわ」
栞「えぅ・・・・・・第一声に傷つきました」
香里「でも栞、国語2はマズイわよ・・・・・・」
栞「わあああ数字を声に出さないで」
香里「うちには私たちしかいないんだから誰にも聞かれないでしょ」
祐一「その情報ゲッチューーーーーー」
突如天井から現れる祐一!!
栞「うわっ! 祐一さん!」
祐一「おじゃまします」
栞「どこから入ってきたんですかあ」
祐一「うむ、天井からだ」
香里「ここ、二階建てよ」
祐一「一階と二階の狭間から侵入したんだ」
栞「泥棒ですか! あっそれより祐一さん今の聞いちゃいませんでしたよね?」
祐一「うむ。小型MD録音機でもろに収録した」
栞「うわぁぁんしっかり聞かれてます! しかも収録されてます! お姉ちゃんのせいです! お姉ちゃんなんか嫌いです!」
香里「事故よ」
確かに事故だ。
香里「それにしても栞、成績不振という割には保健が9・・・・・・」
栞「うわわわわだから声に出して言わないでください!!」
祐一「その情報もゲッチューーーーー」
保健9!
栞「うう・・・・・・もうお嫁にいけません」
香里「どうして保健9だとお嫁にいけないのよ。私10よ」
祐一「・・・・・・・・・・・・」
栞「・・・・・・・・・・・・」
香里「どうして黙るのよ」
祐一「いえ、香里さまは極めて自然です。なあ栞」
栞「え、ええ。そうですね」
香里「そんなことより、なかなかひどいわよこの成績・・・・・・」
栞「ふんだ、お姉ちゃんに言われなくても自分のことは理解してます」
香里「開き直ってどうするのよ」
祐一「しかしどうして保健はいいんだ?」
香里「それは・・・・・・」
祐一「・・・・・・・・・・・・」
香里「・・・・・・・・・・・・」
栞「どうして黙るんですか!」
祐一「フォローできんな」
香里「一年の一学期の内容が内容だけにね・・・・・・」
栞「うわーん二人していじめます!」
祐一「まあ栞が人体の神秘について博識なのはよくわかった」
栞「祐一さん、嫌いです」
祐一「大丈夫だ、保健の成績がいい女はもてるぞ」
栞「そんなもてる理由嫌です! 第一、もてないです!」
香里「保健の話はもういいのよ。それより大事なのは栞の成績を向上させることよ」
祐一「しかし国語2は俺よりやばいな・・・・・・」
栞「・・・・・・・・・・・・」
香里「栞、授業はちゃんと受けてるの?」
栞「受けてます! 学校に来るのは楽しいですから」
香里「うーん、やればできない子じゃないはずなんだけど・・・・・・」
祐一「何か他に原因があるな」
香里「授業の内容はわかるの?」
栞「えーっと・・・・・・あんまり」
香里「やっぱりちゃんと聞いてないんじゃない?」
祐一「周りと喋ったりしてるんじゃないのか」
栞「そんなみんなに迷惑になるようなことはしません。ちゃんと一人でもくもくと授業受けてます」
香里「でもきっと注意散漫なのよ。読めたわ。どうせ周りの子の顔見てニヤニヤしてたり、寝てたりするんでしょ」
栞「う・・・・・・」
祐一「図星か」
栞「だってだって・・・・・・楽しいから」
香里「うーん今までマトモに学校行けてなかったから仕方ないといえば仕方ないけど・・・・・・」
祐一「これは栞の注意力を鍛える必要があるな」
栞「嫌ですよそんなの」
香里「いえ、必要だわ。じゃあ今から特訓しましょ」
栞「えーー今からですかぁ?」
香里「善は急げよ。相沢特派員、セッティングを」
祐一「了解いたしました」
栞「うわー勝手に話を進めないでくださいーー」

北川「で、どうして俺がここにいるんだ?」
祐一「暇そうなのをリストアップして人材を集めただけだ」
名雪「うー、暇そうじゃないよ。部活のお休みを満喫しようと思ったのに〜」
栞「ごめんなさい、名雪さん」
名雪「いいんだよ、悪いのは全部祐一」
祐一「休みでも暇だからいいだろ」
あゆ「ボクだって忙しいよっ!」
祐一「おまえはどっから見ても暇だ」
あゆ「うぐぅ〜」
香里「ゲストは揃った?」
名雪「香里〜」
香里「さっきぶりね名雪。今からみんなには栞のアテンションプリーズプロジェクトを手伝ってもらうのよ」
栞「なんですかその新幹線とかでアナウンスされてそうな名前のプロジェクトは・・・・・・」
香里「名前通りよ」
祐一「つまり模擬授業をやるわけだな。そして栞の動向を香里がチェックして修繕する」
香里「そういうこと」
北川「俺たちはなんのために来たんだぁ?」
香里「もちろん、模擬授業の俳優よ」
名雪「俳優?」
香里「そう。それぞれ役を与えるから、頑張って全うしてね」
あゆ「うぐぅ〜ハイユウってなに?」
祐一「後で教えてやる」
香里「じゃあまず先生役は相沢君、お願いね」
祐一「おう!」
香里「他の人はみんな生徒よ」
北川「なんだぁ? せっかくもう授業が当分ないと思ってたのに、まだやるのかよ〜」
栞「うー疲れますよ」
香里「ほら文句言わないで早くやるわよ」
一同「へーい」

コツコツコツ・・・・・・。
ガラガラ!
祐一(先生)が教室のドア(居間のだが)を開けたその時!!
ボフッ
あゆ「わーーい引っかかった〜♪」
祐一「誰だドアに黒板消しを仕掛けたのはああああああ!!」
名雪「定番だよ、祐一」
祐一「ばかやろう、こんなところまでリアルに演出してどうするんだ! っていうかこんな古典的ないたずらする高校があるか!」
栞「でもお約束は必要です」
祐一「栞・・・・・・のっけから注意力ゼロだな・・・・・・」
北川「まあ相沢、教卓につけよ」
しぶしぶ教卓(テレビ台)につく祐一。
祐一「では一時間目の授業を始める。一時間目は保健だ」
名雪「ぶっ」
北川「待て!! なぜ保健なんだ!!」
あゆ「ホケンってなに〜?」
祐一「ふふふ、さり気なく保健の成績は10である俺の授業を堪能するがいい」
香里「相沢君、一時間目は古典の授業よ」
祐一「・・・・・・はい」
あゆ「ホケンってなに〜?」

祐一「であるからして〜なんちゃらかんちゃら(授業なんかできるわけもないので音楽について語っている)」
栞(うー暇ですね)
栞(こういう時は寝るに限ります!)
栞「ぐー・・・・・・」
香里「栞!!」
栞「うーん・・・・・・」
香里「寝ちゃダメよ」
栞「うー・・・・・・」
香里「ダメね・・・・・・これはなにかの罰則をつけないと意味がないわ」
北川「罰則?」
香里「ふふふ・・・じゃあ栞、次の注意で今日の夕飯はカレーよ」
栞「えっ・・・・・・」
祐一「おおーそりゃナイスな罰だな」
あゆ「カレーおいしいのに?」
名雪「栞ちゃんは辛いものダメなんだよ・・・・・・」
栞「うーひどいです」
香里「栞が寝なければいいのよ」
栞「夕飯抜いたらおなかすきますよぉ・・・・・・」
香里「もう注意受けることを前提として話してるのね・・・・・・じゃあ、その次の注意で・・・・・・キムチ風呂よ!」
祐一「キムチ風呂!!」
北川「阿鼻叫喚って感じだな・・・・・・」
栞「そんなの私じゃなくても入れませんよ!」
香里「栞のためよ」
栞の風呂ハァハァ(;´Д`)
祐一「よし、じゃあ授業を再開するか」
あゆ「栞ちゃん、頑張ってね」
名雪「ふぁいとっ、だよ」
栞「まずいです・・・・・・このままだとキムチ・・・・・・」
祐一「ここの問題を栞、答えてくれ」
栞「なんですか? 3?=6? 簡単ですよ。?=3です」
香里「栞!!」
栞「えぅっ!?」
香里「誤答よ・・・・・・それは中学生レベルの問題よ・・・・・・注意ね」
北川「カレー決定か・・・・・・」
あゆ「ドンマイだよっ!」
祐一「栞・・・・・・」
栞「うわぁぁぁん・・・・・・」

残り時間・・・・・・五分
栞(ここまではなんとか注意二回だけでまじめに授業を受けました。あと五分の我慢です!)
あゆ「ねえねえ栞ちゃん」
栞「なんですか? あゆさん」
あゆ「さっきの質問なんだけどね、ホケンってなんなの?」
栞「えっ・・・・・・」
返答に困る栞! そりゃ困る!
栞「ええっとそれは・・・・・・」
あゆ「もしかして・・・・・・エッチな方面の言葉?」
栞「・・・・・・!!」
赤面栞!!
香里「栞!!」
栞「えぅっ!?」
香里「私語は厳禁よ・・・・・・(邪悪な笑み)」
栞「えっでもあゆさんが・・・・・・」
あゆ「ふふふふ・・・・・・引っかかったね栞ちゃん」
栞「えっ?」
あゆ「ボクは香里さんに頼まれてたんだよ・・・・・・栞ちゃんの注意を逸らすように・・・・・・」
栞「ええっ・・・・・・? そんな・・・・・・あゆさんひどいですっ!」
香里「これも栞のためよ・・・・・・」
栞「全然私のためじゃありません!! お姉ちゃん嫌いです!」
香里「でも私は栞が好きよ・・・・・・いとおしいわ・・・・・・」
栞「お、お姉ちゃん・・・・・・どうして迫ってくるんですか・・・・・・それに祐一さんと名雪さんも・・・・・・あゆさんと北川さんまで!」
祐一「すまんな栞、俺たちもみんな香里の指揮下の人間なんだ」
北川「美坂には逆らえないからな。悪く思わないでくれ」
名雪「ごめんね、栞ちゃん」
あゆ「運命、だよ」
栞「うっうっ・・・・・・あんまりですよ!」
香里「さあ、早速お風呂よ。服を脱がせてあげて」
一同「アイアイサー」
栞「きゃーーーーーーーーーー」



ざわざわ・・・・・・。
栞「うっ・・・・・・ぐすん」
キーンコーンカーンコーンー
生徒A「美坂さん? 美坂さん!」
栞「お姉ちゃん・・・・・・う・・・・・・あれ?」
生徒A「美坂さん、大丈夫? ホームルームの時間、寝ちゃってたみたいだけど・・・・・・」
栞「えっ・・・・・・」
生徒A「もうホームルームも終わっちゃったし、明日から夏休みだよ。美坂さん、来週一緒に遊ばない? クラスの女子の合同出資で打ち上げするんだけど」
栞「あ、はい。行きます」
生徒A「わかった。じゃあ今度おうちに電話するね。じゃ、私は部活があるからまたね〜」
栞「またですー」
栞(もしかして・・・・・・夢オチですか?)
うむ。
栞(助かりました・・・・・・一時はどうなることかと思いました・・・・・・)
しかし栞よ。今から家に帰ると、夢と同じような展開になるかもしれんぞ。
栞「あ・・・・・・」
クックック・・・・・・キムチ風呂・・・・・・。
栞「きょ、今日は家に帰りません!!」
ガムバッテネ(´ー`)y-。oO○

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